アボサンinfo

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阿保美代さんとは?
アボサンとわたし
 
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単行本リスト
作品リスト
          1977〜
陽だまりの風景
ふるさとメルヘン(1)
お陽さま色の絵本
          1981〜
時計草だより
ふるさとメルヘン(2)
くずの葉だより
          1987〜
ルフラン
夏のてじな
          1993〜
森のメルヘン
そよかぜの木
二人でつくる基本〜
 
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マンガ二人でつくる基本料理がいきなりおいしくできる本    
©阿保美代 (SOPHIA BOOKS/講談社/1999.1.15初版)


   料理本を一冊マンガにしたら。重金碩之氏原作で阿保さんがコミック化。 日本料理やおふくろの味から、パンやサラダ、果実酒まで多彩。

 イラストの傾向は変わったけど、繊細で丁寧な仕事ぶりは変わらず。 新婚夫婦が仲良く学んでいく、ストーリー付きマンガレシピ本。

著者・装画/阿保美代、原作/重金碩之、ブックデザイン/鈴木成一デザイン室  カバー裏表紙


 ▽ 目次 (収録作品)    ▽ インプレッション   


 
  目次 (全15章)

作品タイトル 頁数 初出誌
 巻頭のことば …重金碩之・阿保美代1p 
 「お料理にはちょっと自信がない、でもおいしいものは大好きです」というお二人へ
 はじめてキッチンに立つ二人へ …早見優4p 
 料理の基本ってこんなにおもしろくて簡単にわかる!
 梅の湯 クッキングファミリーの紹介2p 
 真梨亜、洋一、お義母さん、洋一の姉、お義父さん、カンペイ、村田さん
 第 1章 みそ汁とイワシのショウガ煮15p+2p BE・LOVEブライダル '94年 6月号?
 みそ汁の基本、イワシのショウガ煮
 第 2章 あえもの15p+2p BE・LOVEブライダル '94年 7月号?
 ほうれん草のゴマ合え、酢みそ合え、白あえ、梅肉あえ
 第 3章 お漬け物15p+2p BE・LOVEブライダル '94年 8月号?
 ぬか漬け、卵のぬか漬け
 第 4章 冷凍・解凍15p+2p BE・LOVEブライダル '94年 9月号?
 冷凍保存の基礎知識、解凍の仕方、即席シーフードカレー、アイスティー
 第 5章 大根おろし15p+2p BE・LOVEブライダル '94年10月号?
 大根おろしのコツ、アジのおろし煮、しめサバのみぞれあえ、なめこのおろしあえ、もみじおろし
 第 6章 炊き込みご飯13p+2p BE・LOVEブライダル '94年11月号?
 炊き込みご飯の基本、サツマイモご飯、中国風まぜご飯、かやくご飯、タケノコご飯のヒント、
 クリご飯のヒント、マツタケご飯のヒント
 第 7章 盛りつけ13p+2p BE・LOVEブライダル '94年12月号?
 盛りつけの基本、漬物の盛りつけ方、刺身の盛りつけ方、天ぷらの盛りつけ方
 第 8章 鍋物11p+2p BE・LOVEブライダル '95年 1月号?
 サケ鍋、トンしゃぶ、カキのミルク鍋
 第 9章 卵料理13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 2月号?
 プレーンオムレツ、目玉焼き、ゆで卵のいろいろ、かき玉汁、薄焼き卵
 第10章 おふくろの味11p+2p BE・LOVEブライダル '95年 3月号?
 高野豆腐の含め煮、ひじきと厚揚げの煮もの、切り干し大根と油揚げの煮もの、干しシイタケのもどし方、
 はるさめのもどし方、かんぴょうのもどし方
 第11章 お寿司13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 4月号?
 寿司めしの基本、合わせ酢、かんぴょうの甘煮、シイタケの甘煮、細巻き寿司、牛肉ちらし、漬物ちらし
 第12章 紅茶13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 5月号?
 紅茶の種類、紅茶のいれ方、ロイヤルミルクティー、お手軽トリュフ、サワークリームとナッツのディップ、
 ジンジャーティー
 第13章 果実酒13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 6月号?
 果実酒の基本、梅酒、干し柿酒、夏ミカン酒、サクランボ酒
 第14章 サラダ13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 7月号?
 セロリサラダ、ドレッシングの基本、ナスのサラダ、豆腐のサラダ、ちくわサラダ、トマトサラダ
 第15章 パン13p+2p BE・LOVEブライダル '95年 8月号?
 パンの扱い方、フレンチトースト、固くなったパンは?、フルーツサンド、食パンのミミ揚げ、パンのピザ、
 フルーツサンドのおいなりさん、目玉トースト、カラメルトースト、キュウリと卵のサンドイッチ
 本書で取り上げた料理一覧2p 

(※この本は、雑誌「BE・LOVEブライダル」に掲載された「真梨亜のキッチン」を改題、再構成したもの。)  
(※頁数の「+2p」=各章の表紙で1p+最後のおさらいの文章「いきなり○○が上手になるコツ」で1p。)  



 
Impression
 
 なかなかの力作。表紙だけを見て、料理本に阿保さんのマンガが少し添えられている程度かな、と想像していた。 実際にはそうではなくて、料理本をコミック化するための原作があり、 それを元に阿保さんがほぼ丸ごとマンガにしている。全247ページ。

 元は、新婚女性向け月刊誌の連載だったようだ。 それを一冊の本として再構成、料理に合わせて章立てにし、コツやおさらいのコラムが1ページ加わる。 原作は、NHKの放送作家、重金碩之しげかねひろゆき氏。前書きに早見優さん。

 ストーリーは、銭湯の家に嫁いだ新婚ホヤホヤの妻が、義母や周囲の人々に助けられながら、 様々な料理を学んでいくという筋立て。 ページからは明るさが漂い、爽やか。 主な登場人物も6人+1匹いて、それなりにドラマがある。エキストラも様々。人も良い。 バブル後の、少し落ち着いたが豊かな時代を感じる。

 ひじき、揚げ豆腐、ぬか漬け、鍋物など、仕込み手順から描かれた多彩な調理のイラストも、 その道の人には勉強になるかもしれない。'80年代のアボサンの幻想的な絵ではなくなっているが、 これはこれで良質なものだと思う。

 この本は台湾でも翻訳され出版されているようだ。 恐らく日本料理を学ぶため、というよりも、「新妻が奮闘するストーリー漫画」として読まれているのではないか。

 料理を絵にするのは大変だろうに、しっかりと描かれていて感心してしまう。 '90年代半ばにはマンガを離れたように見えた阿保さんが、 実は精力的に仕事をされていたことを知り、嬉しい気持ちになった。

(by ライラック)

 
 無駄な力が抜けている。輪郭クッキリがなくなって、 全体的に、自然で、無理のない、好感のもてるタッチ。 うさぎのおばさんさん(@森のメルヘン)のキャラクターが、 姑さんにも、お嫁さんの明るい感じにも引き継がれている。

 料理の絵も、綺麗で上品に描けている。他の料理漫画とは全く違った描き方。 美味しそうというより、見やすいように。 食材を扱う下ごしらえや調理プロセスが丁寧に描き出されているのは、女性漫画家ならではか。 青年マンガにあるような薀蓄ものとは別で、実用性も高い。

 全体の雰囲気は、阿保さんオリジナルではあると思う。 木の描き方、草花の描き方、光の描き方に、阿保さんの持っているもの、良さがちゃんと出ている。 緻密な描き込みも健在。他の人にはなかなか真似できないだろう。

 各章の終わりに、「いきなり○○が上手になるコツ」という コラムがついているのが、とても親切で実用的。 きっとこの旦那さんは、阿保さんの理想の男性像ではないか。

(by 雪だるま)


2010.05.15〜
編集:アボサンinfo.

illustration ©MIYO Abo 1994-1999
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