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作品リスト
単行本紹介
│      1977〜
陽だまりの風景
ふるさとメルヘン
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│      1987〜
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アボサンのふるさとメルヘン    
©阿保美代 (KC mimi/ 講談社/ 1979.6.15初版) 
 雪国育ちの阿保さんによる、日本の伝承民話を題材にした短篇集。 自然あふれる風景と優しい東北弁で、静かに物語へ誘う。

 人と動物、妖怪、その素朴な触れ合い、そして・・・。 小粒ながらも、ほんわか温かい気持ちになる、良質なおとぎ話集。

著者/阿保美代  カバー見返し・裏  カバー見返し・表

 ▽ 目次 (収録作品)  ▽ イラストカット  ▽ インプレッション  


 
目次 (全24篇)    

作品タイトル頁数初出誌 (※S53=昭和53年)サイト内リンク
● アボサンのふるさとメルヘン
 きつねのくりごはん8p  S52 月刊mimi 12月号? 
 雪の里8p  S53 月刊mimi 1月号? 
 こぐまの春8p  S53 月刊mimi 2月号? レビュー
 小鬼のてぶくろ8p  S53 月刊mimi 3月号? 
 たぬき雨8p  S53 月刊mimi 4月号 
 菖蒲沼(しょうぶぬま)8p  S53 月刊mimi 5月号 
 あじさい峠8p  S53 月刊mimi 6月号? 
 泣き虫たんざく8p  S53 月刊mimi 7月号? 思索15
 あかいくつ8p  S53 月刊mimi 8月号? レビュー
 西の風のうた10p  S53 月刊mimi 9月号 
 てのひら10月8p  S53 月刊mimi 10月号? 
 月うさぎ8p  S53 月刊mimi 11月号? 
 もみじ山のやまんば8p  S53 月刊mimi 12月号 
 古い波のうた8p  S53 月刊mimi 1月号? 
 花の木橋8p  S53 月刊mimi 2月号 
 すぎのこ森の声8p  S53 月刊mimi 3月号? 
 春の笛8p  S53 月刊mimi 4月号? 
 あめふりてんぐ8p  S53 月刊mimi 5月号? レビュー
 水ばしょうのらっぱ8p  S53 月刊mimi 6月号? 
 雪の子ねこ6p  S51 月刊mimi 2月号 
 ほたる4p  S51 月刊mimi 8月号 
 秋の日のアリア8p  S51 月刊mimi 11月号 レビュー
 朝の食事5p  S52 月刊mimi 3月号 
 サンタクロースの夜8p  S50年度作品・未発表 


 
イラストカット    



p.4 「きつねのくりごはん」より (C)阿保美代




p.29 「小鬼のてぶくろ」より (C)阿保美代




p.89 「てのひら10月」より (C)阿保美代

©MIYO Abo 1975-1979




 
Impression    

 
 主に日本の民話や童話を題材にした短篇集(6p〜10p)。 舞台の多くは山奥の村で、自然に溢れ、人や動物の表情は生き生きとしている。 「こったら」「〜だど」など北国の方言によるナレーションも優しく、味わいがある。

 人間以外に、キツネやクマ、河童、小鬼、やまんば、天狗など、動物や妖怪も登場し、 日本昔話のような設定が多いが、中には西洋風だったり現代的なものも。

 一話目は、お地蔵様にお供えをするおばあさんと、それを食べるキツネのお話。 数え歌のシーンが心に響く。雪女や「こぐま」は、西洋的な描かれ方。 「たぬき雨」は、家族に先立たれた猟師と、山のたぬき親子の切ない話。 「あじさい峠」は絵本の「モチモチの木」をアレンジしたような小品。 あじさいのぼんぼり道が美しい。

 田舎のお姉さんと、町から来た「あかいくつ」。 「春の笛」は、宮沢賢治のセロ弾きゴーシュをシンプルにしたような話。 「やまんば」と坊やとの触れ合い、別れ、悲しみを包みこむ紅葉。 「花の木橋」は、心を通わせたリンゴの木との再会、そして…。

 私が大好きなのは「雨降り天狗」。 日照り続きの村を救えば庄屋の娘をくれると聞いた天狗。命懸けで雨を降らすけど・・・。 少し切なく、でも爽やかな読後感。 棟方志功風の扉絵の「水ばしょう〜」は、お寺の小僧さんと少女の、心洗われるような物語。 そして最後は、子供に幸せを運ぶ「サンタクロースの夜」。

 伝承民話や童話をベースに、阿保流に味付けした、小粒ながらじんわりと心に残る短篇集。 アボサンのスタイルが確立されていく時期の一冊。

(by ライラック)

 
 少女漫画全盛期の当時、民話とメルヘンをミックスしたような作品群は、かなり異色だったと思われる。 その異色さを単なるイロモノに終わらせず、見事な芸術作品に昇華させたのは、 間違いなくこの当時の阿保美代の技量による。

 今読んでも、一気に引き込まれる独特の世界。 筆者は、初めて読んだときは、耳慣れない(読み慣れない)東北弁に違和感を感じたものだが、 何回か読み返すたびに、じわじわと心に染み入り、 最終的には、実はこの東北弁がこの作品の魅力を支える大きなファクターになっていることを知る。

 また、この作品たちは、名作アニメ「まんが日本昔話」にも通じる、 「ノスタルジー」「せつなさ」に溢れている。 なぜか、おばあちゃんモノに弱い筆者にとって、 そのままストライクなのが「もみじ山のやまんば」。せつなすぎる。当時、何度も涙した。

 絵もすばらしい。背景の描き込みはもちろん、 キャラクターたちがたまらなく可愛らしい顔をしている。 特に「泣き虫たんざく」の妹マー。「あめふりてんぐ」のてんぐ。 この頃の阿保さんが描くキャラクターには、“無垢”という言葉がふさわしい。

(by 雪だるま)


2010-05-29〜 
編集:アボサンinfo. 
illustration ©MIYO Abo 1975-1979 

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